労働に対する報酬か結果に対する報酬か。
報酬(賃金)は、労働そのものに対して支払われるものなのか、それとも結果に対して支払われるものなのか?
少し前にFacebookでちょっと話題に上がっていたことです。トピックはウェブ制作業者の話ではなくて、有料で人を集めている講座のクォリティが低く、これってどうなの?というような話題だったんですが、専門的な知識やスキルを提供してそれに対して報酬を頂くという意味ではウェブ制作にも充分当てはまる話。
「セミナーや講演・講座の受講料は、主催者・運営者が掛けた手間暇や経費に対して支払われるのではなく、受講した人にどれだけ価値のある内容を提供できたかで決まるべきもの」
いやほんとにその通りだと思います。主催者がどんなに手間暇や経費を掛けても、その講座で受講者に価値のある内容を提供できなかったら、受講者は「お金を払って損した」と思うし、その次はないですよね。
ウェブ制作も然り。・・・と言っても、制作にあたってはビジュアルデザイン以外の部分は基本的に工数で料金を出していますが。でもそれは、単純に工数や労働に対しての賃金ではなく、「工数に比例してサイトやシステムの機能性が向上する」あるいは「工数に比例して有益な情報を提供できる」という大前提の下で成り立つことであって、前述の講座と同じで、どんなに工数や経費を掛けても、クライアントの要望を満たしていなかったり結果が伴わないウェブサイトだったら、目先の制作報酬は得られても次には繋がりません。
というか、そもそも「掛けた手間暇や経費をペイするための報酬」という考え方だけだと、いつまで経っても報酬の水準は変わらないんですよね。「クライアントにこれだけの価値(例えばブランドイメージ向上、売上アップなど)を提供できるから、その対価としてこれだけの報酬を頂きます」と言えるようにならないと・・・
あ、もちろん、労働そのものに対する対価なのか、結果に対する対価なのか、というのは職種によって様々で、労働そのものに対して賃金が支払われるべき職業も沢山あると思います。
でも・・・どんな仕事でも、お金を頂く以上は「結果を出してナンボ」なんですよね。一言で「結果」と言っても、それは製品であったり成果物であったり、あるいは「きっちり店番をこなした」ということであったり、形は様々ですが。
結果をきちんと出せてないのに「これだけの手間と経費が掛かっているのでこれだけの料金を頂きます」なんて言ってるようじゃ、まだまだアマチュアなのよね。。。(ま、あまりにもクライアントが工数の概念を理解してくれていないときは、私もさすがに言いますけどね・・・^^;)